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茅葺の里ジャズライブ

平成19年7月28日(土)にキャッスル・ジャズバンドを招いて開催された「茅葺の里ジャズライブ」をBlue Wave Jazz Forumの澤田勝徳がレポート致します。



晴天に恵まれて

設営の様子
岡崎市の東部、山峡の地に築後300年の茅葺屋敷がある。
この佇まいがジャズによく合うのだ。

今回は陽気な演奏スタイルをモットーとし、北海道から九州まで年間50回以上のライブを行う関西の人気バンド「キャッスル・ジャズバンド」の出演。

1部2部合わせて300人のお客さんには充分満足していただけるだろう。
晴天に恵まれて早朝よりの特設ステージ作りも順調。
ステージと客席の間に擬宝珠(ぎぼうし)が可憐な紫の花を咲かせている。昨年は「じさんじょの会」の方が、邪魔でしょう!と刈り込んでくれたが、今年はどうしよう。
このままでいいか、風情があって…。

敷地内を流れる小川で持ち込んだ西瓜が程よく冷えている。
昼食は「じさんじょの会」のおばさん、失礼!女性部の皆さんが作ってくれたカレーライス。
山本君子代表が「都市と山村の交流拠点のこの屋敷に大勢の方に来ていただいて、演奏する人も聴く人も一体になれる。私は毎年このライブが楽しみです」。

完成したステージ上では音響や照明の調整が続く。
手の空いた人がステージと屋敷の間にゴザを敷き、建具を外して開放された縁側には座布団を並べる。
小川の向こう側の空き地にはパイプ椅子が30脚。
刈らずに残した擬宝球(ぎぼうし)が時折吹く風に揺れている。



準備は整い

焼きそば王子
道路沿いの特設テントでは「じさんじょの会」の皆さんが、冷たい飲み物や山菜ごはんを販売。
お!鉄板の前で荻野裕也君(26歳)が慣れた手つきで焼きそばを作っている。
カッコいいじゃん、彼。
まさに 焼きそば王子!だね。

「ジャズですか。よく分かんないけど、聞いてて気持ちいい音楽ってとこかな。彼女募集中です。ついでに書いといて下さい」

売店の前に受付用の長机、その奥の黄色いテントの下ではJ-mama'zの内田さんと小椋さんが手際よく配布ちらしの準備をしている。

午後4時過ぎに本日1番乗りのお客さん岡崎市河原町、山崎由法さんご夫妻
「去年に次いで2度目。ディキシーランド・ジャズってクラシック・ジャズの分野ですよね。あの頃の音楽が好きです。広報で見て真っ先に申し込みました」

千万町小学校よりお客さんをピストン輸送するバスが到着する度、人が増えてゴザ席から徐々に埋まり始める。椅子席には岡崎市、近藤浩さんが…。
「ジャズをナマで聴けるチャンス。FMラジオのWe Love Jazzも聴いてますよ」



キャッスル・ジャズバンド

午後4時55分 Blue Waveの柴田代表、じさんじょの会荻野代表に次いで、山東さんの挨拶 「こんにちは!とこんばんは!の中間ですね」。

太陽は西に傾いたものの野外はまだまだ明るいのだ。

キャッスル・ジャズバンドは1977年に姫路で結成、1曲目のBOURBON STREET PARADEのあと、リーダー桔梗亮三さん(クラリネット)のトーク。

「1917年にニューヨークに進出したニューオリンズ出身のディキシーランド・ジャズバンドによって多くに知れ渡り、1923年に神戸に入ってきたのが日本での始まりで…」。
関西弁が心地よく耳に入って来る。
星条旗をあしらったカンカン帽に黄色いTシャツもなかなかだ。

2曲目は亡くなった人を埋葬する時の曲JUST A CLOSER WALK WITH THEE, 5曲目に月の砂漠なんてのもあり、ディキシーランド・ジャズは初めて!というお客さんも満足そう。



ご両親と一緒に来た岡崎市丸山町、大羽由紀那さんは、「モダンジャズが好きで毎日聴いてます。以前はバンドを組んでやってたんですよ。大学の文化祭やジャズ喫茶に両親が見に来てくれるうちにのめり込んでしまって…」と言いながら、ちらっとお父さんを見る。

「夢はライブハウスでライブをやりたい。まずは名古屋で!そしていつか東京でも!」

おお、素晴らしい。あなたの輝く瞳にグッと来てしまった。
夢とは叶えるためにあるもの。オジサン?も応援してるよ。
ジャズピアニストの小曽根真のファンだって? 
一緒にライブが出来るといいね。

第2部に来られた岡崎市美合町、夏目さんご夫妻が、「私の知り合いがかつてこのバンドで一緒に練習してたんですよ。レベルが高い!って教えてくれました。来て良かったです」と話してくれた。

「さっき、小さい女の子が演奏聴きながらカラダ動かしてたでしょ。やっぱり分かるんですよ。子どもは音楽を聞き分ける耳を持っている。それをうまく育てるのが大人の責任。ジャズに関して今後の希望ですか。ナマで聴く機会がもっと増えればいいと思いますね」



夜空に星が瞬き

午後7時、ステージ前と川に架かる橋の上に点々とキャンドルが置かれ、夜風に揺れている。
浴衣姿の女性もあちこちに。
リーダー桔梗さんが神戸ジャズストリートや姫路ジャズフェスティバルの様子を紹介。
姫路では山東さんも大いに尽力されたとか。
第2部はAMAZING GRASE が良かった。
特にバンジョーが。寺尾寿記さんが言う。

「このバンジョーはアメリカ製で使い始めて15年。国産高級乗用車1台分ってとこかな。嫁さんより大事にしてる。阪神大震災で朝方グラッと来た時、ぱっと飛び起きて、嫁さん突き飛ばしてバンジョー抱き抱えましたわ。前の晩も弾いててケースから出しっ放しやったから…」

こういうのを聞くと、ジャズミュージシャンって人間味があっていいなと思う。
ひと晩飲み明かしたら愉快な話がイッパイ聞けるだろう。

ディキシーランド・ジャズと言えばこの曲に代表される「聖者の行進」を最後に里山の青田を揺らすジャズライブも無事に終了。
見上げると夜空にみっつ、よっつ、星が瞬いていた。