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WHINGS / 鈴木良雄
あれは一寸奇妙なコントラストの風景だった。もうすっかり夜も更けて、あたりは真暗な筈なのに、眼下には美しい照明にくっきり浮かび上った赤茶色のテニスコートが整然と並び、その先には突然、いかにもニューヨークらしい古ぼけた建物が、ごちゃごちゃとつらなっていた。もう少し目を上げるとハドソン河が、うすぼんやりと水面を反射し、夜空との間には、広々としたニュージャージーの低い山々が、不規則な境界線を引いていた。一年程前の夏久し振りにニューヨークを訪れた僕を、チンさんは、手を引く様に自分のアパートに誘ってくれたのだが…
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