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SOLOS/JOACHIM KUHN

[1]このレコードをお聴きになろうとする人のために―――

 先日発行されたS.J.誌別冊“モダン・ジャズ読本'72”の中に「ジャズ・ファンの生活と意見」という読者からのアンケートの記事があり、とても面白かったが、中でも「レコード解説は――」という問いに対する解答はとても興味深かった。それによると

1)鑑賞の参考になる 54.5%
2)
不満な解説が多い 26%
3)
とくに読まない  19.5%

という具合に分れており、一応半分以上の方は有益として認めて下さる訳だが、それでも全く無視する方や、つまらない事を書くなあと思われる方がかなりいる訳である。そんな訳で、責任感を感ずるやら、がっくりするやら複雑な気持でいるのだが、このJ.キューンの“ピアノ・ソロ”のオリジナル・ジャケットを含めてFuturaのLPの殆んどは、全然ライナー・ノーツがなく、言ってみれば、大変すっきりしたデザインなのである。(大体最近のヨーロッパ系のレコードは、このFuturaを初め、ライナーの無いのが多い傾向にあるのは確かだ。ロックになると、もっと徹底している。いらぬ知識より、ちゃんと音を聴いて下さいという事だろう。)だからといって、私自身はライナー・ノーツが全く不必要だと考えている訳ではなくて、実際にレコードコレクターの立場に帰って、特にヨーロッパ・ジャズ等を探し求める場合には、やはりジャケット裏の解説を立ち読みして、大変参考になった経験が多いのである。(数年前、ヨーロッパ・ジャズメンのLPを買う場合には殆んど予備知識ゼロの状態だったから)例えばこのJ.キューンを最初に求めた時には、1944年ライプチッヒの生れか、すると未だ若くて、東独の出身なんだなとか、最初はB.パウエルの影響を受け、特にセシル・テイラーやJ.コルトレーンの音楽に傾倒して行った(特に兄のRolfと再会してから)事などを知って、次第に前衛的に変って行く姿が想像されて、そのレコードの大体の見当をつける事が出来たからである。

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