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ROUND MIDNIGHT/辛島文雄トリオwith LARRY CORYELL

(1)ジャズの基本的フォーマットとしてのピアノ・トリオ

 これは、日本のジャズファンに限ったことではないと思うのだが、一般的に言って、ピアノ・トリオを好む人が多いのは事実の様だ。

 最近わがリスニングルームを訪れる、所謂ロック、フェージョン世代の若い人達にしても、意外に、オーソドックスなピアノ・トリオのレコードをリクエストしたりしておや?と思わされたりするからやはり「ピアノ・トリオこそ、ジャズの基本的なもの」という、とらえ方をしているんだろうか―――などと考えさせられたりするのだ。そういう僕にしても、ジャズに親しんで30年以上の節目毎に、例えばB.パウエル、O.ピーターソン、W.ケリー、B.エヴァンス、そしてM.タイナー(他に挙げて行けばきりもないが)といったトリオに夢中になった時代を、たやすく想い出すのだからピアノ・トリオこそ一番身近かなもの」というのが実感と言えそうだ。

 こうしたトリオは、勿論ピアノ、ベース、ドラムを基本的な編成としているが、昨今、各種、電気楽器のめざましい進歩、進出によって、「アコースティックなピアノ・トリオ」が、次第に脇に押しやられ、やがては過去の遺物になるのではないか、或いは現になりつつあるなどという意見には全く同意しかねるのだ。

 例えば、それを日本のジャズシーンに限って考えてみれば、現在この基本フォーマットに、こだわり続けて活躍するピアニストとして真先に挙げられるのは、佐藤充彦、辛島文雄そして高瀬アキといった人達だろう。そして、この人達の創り出す音楽が硬派的であり、尚且ジャズの最前線にあるという印象に否定的な方は、おられないのではなかろうか。つまり、僕としては、「アコースティックなピアノ・トリオは、永遠にジャズの基本的なフォーマットである」という点を強調しておきたいのだ。

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